• 動物保護
  • 動物介在活動

アニマルシェルターが地域にあることの意義

アニマルシェルターが地域にあることの意義

キドックスが目指す未来~アニマルシェルターが地域にあることの意義とは~

本日は、地域社会の中にキドックスのようなアニマルシェルターがあることの社会的な意義について、この場でもお伝えしたいと思います。

福祉の充実度を測る尺度としてのアニマルシェルター
「アニマルシェルター」と聞くと、皆さんはどのようなイメージを持たれているでしょうか。
動物保護、動物愛護、犬猫等の動物が好きな人がやるボランティア、などというイメージが多いでしょうか。
キドックスは10年以上の活動で、海外や国内の様々なアニマルシェルターを視察したり、シェルターメディスンを含めたシェルター運営の勉強を行ってきた中で気づいてきたこととして、一定のある地域に居住する動物の福祉が侵害されているということは、その動物を扱う人の福祉的課題が大きいということだと理解しています。例えば貧困世帯が多い居住エリアでは、動物虐待や遺棄も多くなるなど、動物の福祉水準が低くなるということが言われています(貧困世帯の人が動物に対して愛が無いということを言っているのではなく、福祉的に侵害されている人は他者の福祉にまで配慮する余裕がなくなりやすいということです)。
シェルターに入ってくる遺棄や虐待の相談内容や数、保護する動物たちの状態、譲渡後の家庭の状態、などから、そのエリアの人の福祉水準を測ることができます。有名なガンジーの名言でも「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」とあります。
人と動物の福祉は密に関連していることを、私たちも日々現場で痛感しています。
キドックスとして考えている価値
地域の中に人と動物の福祉に寄与するアニマルシェルターが存在するには、日本の社会課題を踏まえて、以下の5つの観点が必要だと私たちキドックスは考えています。
①動物福祉:動物福祉水準を発信するモデルとなり、地域の動物福祉水準を底上げする存在
②人の福祉:動物の社会問題から人の福祉課題へリーチ、人の福祉の地域の充実度を測る指標のひとつ
③就労の場:動物福祉が働く場所の選択肢のひとつとなり、不安定就労の方の受け皿へ
④交流の場:多様な地域の人々の居場所・交流・学び・活躍の場の拠点
⑤動物介在:人と動物の福祉に配慮した適切な動物介在活動を広げ質の水準を上げ、教育的価値を発揮
「動物保護」の機能を超えたアニマルシェルターが日本中に広がることを目指し
上記のように、アニマルシェルターという存在は、地域にとって、単に動物を保護して譲渡するという機能を超えて、人と動物の福祉を根底から支える社会的存在へと進化していくことで、
その地域の社会課題に寄り添い、当事者の声を代弁し、地域の人の力を発揮し、社会に必要な資源やあるべき姿を提言できる、そして多くの人と動物が共に支え合える社会になっていくと信じています。
キドックスもまだまだ未熟で勉強中の身ですが、将来的に事業・組織・財務のモデルを確立させ、日本中に大切にしたい観点と存在の社会的価値を広げていき、人と動物の福祉を日本全体で底上げする運動的な活動を、今後10年20年かけて目指していきたいと思っています。

一覧へ戻る