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キドックスの動物介在活動について

キドックスの動物介在活動について

キドックスの動物介在活動について

動物介在活動の詳しい説明と、キドックスが行う動物介在活動についてご紹介します。

動物介在活動(Animal Assisted Activity)とは?

動物介在活動とは、人に対して教育や治療やメンタルケアなどの何らかの目的を設定して行う動物を介した支援活動の全般を指します。

このプログラムが対象者に与えるものは、動物によるセラピー効果(リラックスや精神安定)だけでなく、身体面や健康面の維持、対人コミュニケーション力、自立的な判断力や行動力の育成、責任感や自己肯定感、無償の愛情を知ること、信頼関係を築くこと、などプログラムの実施形式によって多岐に渡ります。一般的には動物介在活動の効果は3つに分類されており、①生理的効果(幸せホルモンの分泌、血圧の低下など)②心理的効果(精神的な癒しなど)③社会的効果(外出する、交流が増えるなど)、と言われています。

特に、アメリカの各州では様々なNPO団体などが動物介在活動を実施しており、すでに数十年の歴史があります。学問的な研究成果も発表されており、注目が集まっている分野です。ちなみに、そういった実践や効果検証から、3大セラピー動物と言われているのは、犬、馬、イルカだそうです。

代表例として、アメリカオレゴン州の「プロジェクトプーチ」があります。
プロジェクトプーチ社では、少年院内で犯罪を犯した少年が、一度飼い主に捨てられた犬を保護して家庭で暮らせるように心身のケアとトレーニングを行って犬の新しい家庭(里親)を探す活動を行っています。ここでは”責任””忍耐””愛情”の3つを主に学んで、再犯を犯さないよう更生を目的としたドッグ・プログラムを実施しています。
これまで200人以上の卒業生のうち再犯率0%の実績を出しています(通常は半数ほどの少年が再犯してしまう)。アメリカでは日本と社会保障の仕組みが異なるため、再犯しない=自立して生活している、と捉える事が出来ます。

その他にも、難病の子どもを支えるファシリティドッグ、裁判などで犯罪に逢った子どもを支える付添犬、言葉の障害をもつ子供が犬に読み聞かせをする図書館プログラム、感情・行動・社会・学習面に課題を持つ子どもたちが自然や野生動物の保護などに関わりながら互いをケアする宿舎型支援など、多様な実践や成果が出ています。

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キドックスにおける動物介在活動とは?

キドックスでは、「動物介在活動」と「ドッグ・プログラム」を2つの言葉の定義として分けています。

動物介在活動は、心理的な癒しを主軸に置いて、社会性が身に付く行動を促すプログラムとしています。犬や猫に対する知的理解がなくても参加できる(参加者に負荷が少なくできる)状態をつくり、参加者の状態に合わせた環境設定を大切にした心理的サポートを中心にしています。
また、動物介在活動は一般的には、人が動物との関わりを通してメリットを受益する活動ですが、キドックスでは人も動物を双方がメリットを受益するように活動を設計してることも大きな特徴のひとつです。

例えばドッグ・プログラムは、人と犬の背景や課題を踏まえたうえでマッチングし、各々が抱える課題に一歩深く入り、それをドッグトレーニングに落とし込むことで、人と犬の心理的・行動的変化を促すプログラムです。参加者は、犬と向き合うことを通じて、自分自身や他者と向き合う時間を過ごし、本来の自分に立ち還ります。犬もその過程の中で参加者と共にポジティブに変化し成長していきます。
そのため、参加者には犬やトレーニング手法に関する知的理解が必要となり、本人が課題を乗り越える過程で思考の整理を促していくため、多少の負荷がかかる場合があります。

キドックスの活動の対象は「子ども」「若者」が、「自分らしく生きることができる」社会を目指しているので、必ずしも就労を目指すことだけが目標ではないため、参加する子のそれぞれの今の体調や状況、将来の希望などに合った形で、「動物介在活動」と「ドッグ・プログラム」を区分して提供しています。
また、介在する犬は「遺棄や虐待等で保護された犬」という心身共に不安定な犬のため、犬がケアされ安定し成長していく過程そのものを、子ども若者達が犬の支援者として関わることで犬自身が充分にケアされるようプログラムを構成しています。

そのため、人側と犬側のそれぞれの個別支援計画を、本人やご家族はもちろん、専門家(社会福祉士、精神保健福祉士、カウンセラー、ドッグトレーナー、動物看護士など)も踏まえて充分に検討したうえで、それぞれの子ども若者・犬に合った動物介在活動/ドッグ・プログラムを実施しています。

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