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よい施設の選び方十ヶ条

よい施設の選び方 十か条

01
まずは情報収集を
動物保護団体、ペットショップ、ブリーダー、行政の動物愛護センター、里親募集サイトなど、犬を迎える施設は数多くあります。まずは各施設の情報の収集や相談をしましょう。
その際に、スタッフの対応が丁寧で誠実な対応であるか、メリットだけでなくデメリット(難しい点)と、それへの対応案なども含めてきちんと真摯に伝えてくれるか否かも確認しましょう。
02
事前に見学を
迎える犬を決める前に必ず施設を見学しましょう。情報誌や広告などの情報だけでは限界があります。百聞は一見にしかず。2つ以上の施設を見学することをおすすめします。
 できれば、時間帯を変えたり、平日・土日など曜日を変えたりすると、普段の様子がよりわかります。複数人の現場スタッフから施設の話を聞くことができれば、さらによくわかるでしょう。
03
見た目だけで決めないで
キャッチフレーズ、建物の外観がきれい、料金が安いなど、見た目だけで決めるのはやめましょう。キャッチフレーズ、建物の外観などは、きれいな方がよいし、料金が安かったり、便利な場所にある施設は魅力的です。しかし、動物が長時間過ごす上で最も大切なことは、動物が過ごしやすい環境か、飼育する人のお世話や配慮が行き届いているか、適切な医療や個体管理が行われているか、近隣への環境配慮含めた衛生管理が行き届いているかなどです。このようなことは、表の見た目だけではわかりません。
 料金についても、安すぎれば、どこかに無理があるのでは、と思った方がよいでしょう。また、利用しやすい便利な場所にあることも大切ですが、飼育内容に問題があったり、動物が過ごすには好ましくないような施設は避けたいものです。
04
部屋の中まで入って見て
見学できるときは、できるだけ、動物たちが暮らす飼育室の中まで入らせてもらいましょう。感染症予防の観点などから見学自体がむずかしい場合もありますが、その場合は写真や動画など別の方法で確認させてもらいましょう。よい飼育をしている施設は、飼育室での動物の様子を自信をもって見せてくれるはずです。普段の買い物でもそうでしょう。皆さんも試したり確認したりできない品物は買わないはずです。飼育室の中を見せられない施設は、何か見せたくない事情があると思った方がよいでしょう。
05
動物たちの様子を見て
動物たちの表情がいきいきとしているか、見てみましょう。よい飼育管理が行われていれば、動物たちの気持ちも安定し、活発になったり穏やかになったりとその仔らしい表現をします。動物たち同士で元気に楽しく遊ぶ仔もいます。
ただし、保護動物に関しては、来客がいることで、怯えたり怖がったりと普段とは異なる様子を見せることがあるため、普段の様子を写真や動画で見せてもらって確認しましょう。
06
お世話する人の様子を見て
○ お世話する人の数が十分か、聞いてみましょう
 人手は十分足りていますか。人手が足りないと、いくらお世話する人がすぐれていても、一頭一頭の動物に十分な対応ができません。人手が足りなければ、排泄物を掃除しない、適切なケアをしない、動物とコミュニケーションをとらないなど、手を抜くことができますが、動物の成長・発達・心身の安定にとっては、問題なのです。
○ 資格を持つ人がいるか、聞いてみましょう
 獣医師、動物看護士、ドッグトレーナー、トリマー、ブリーダーなど専門的な知識を持っている人がどの程度現場に関わっているかを聞いてみましょう。個人的な経験や勘だけでは、適切な飼育管理をすることは難しいものです。
○ お世話する人が笑顔で動物たちに接しているか、見てみましょう
 お世話する人が余裕をもって一頭一頭の動物をあたたかく受け入れて日々接することが大切です。飼育者に余裕がなければ、声を発しない動物の些細な変化や気づきを見落とすことにも繋がります。お世話する人は、動物の気持ちにも配慮して接していますか。大声でしかってばかりいませんか。お世話する人がつらそうな顔をしていませんか。
○ お世話する人の中には経験が豊かな人もいるか、見てみましょう
 多くの動物、とくに幼齢動物や高齢動物も飼育している施設では、経験豊かな人もいることが望ましいのです。動物の具合が急に悪くなったときなど、ベテランの持ち味が発揮されます。
07
施設の様子を見て
○ 動物が静かに落ち着ける場所があるか、また、動物が動き回れる十分な広さがあるか、見てみましょう。動物は、落ち着ける自分の空間がないと心が安定しない個体もいます。反対に、発散が必要な動物は十分なスペースではしゃぎ回れることも大切。せまい場所に閉じこめられているのでは、ストレスがたまる動物もいます。幼齢動物も高齢動物も小型動物も大型動物も同じ部屋で多頭数を飼育している状態は危険です。
○ おもちゃや運動設備がそろっているかを見て、また、外発散をしているか聞いてみましょう
 飼育室の中にどんなおもちゃや運動設備がありますか。動物が種類や各個体に合わせた本能を満たせるような工夫がしっかりされていますか。動物によっては、外の空気にふれることや外での発散はとても大切。外発散の回数や場所などを見て聞いてみましょう。
○ 陽あたりや風とおしがよいか、また、清潔か、見てみましょう
 陽あたりと風とおしも大切。誰だって、外はよいお天気なのに、閉めきったまま、じめじめしているなんて、きらいです。動物にとって、不衛生は禁物。飼育室だけでなく、トイレや事務所や廊下などが清潔かも、見てみましょう。
○ 災害のときのための避難方法を聞いてみましょう
 便利な場所でも何かがあったときに危ないということでは、動物の安全に配慮できているとは言えません。災害の時のための訓練をしているか、避難方法や経路はどうなっているか、見て聞いてみることが大切です。
08
飼育の方針を聞いて
○ 管理者やお世話する人から、飼育管理の考え方や内容について、聞いてみましょう
 飼育内容が良いか悪いかは、管理者やお世話する人の考え方や力量で大きく左右されます。どんなところに力を入れてどんなところに注意をしてお世話するのか、動物が日々どのように過ごしているのか、施設で大切にしていることなど、考え方を聞いてみましょう。きちんと説明してくれたでしょうか。
○ どんな食餌を与えているか、聞いてみましょう
 動物の成長には、栄養のバランスや年齢や体調に応じた食餌管理がとても重要です。一律に安価なフードだけを食べさせているようでは問題です。栄養管理の食餌準備の様子など、見て聞いてみましょう。
○ 医療やお手入れの管理方法について、聞いてみましょう
 ワクチンや予防薬、動物のお手入れ(シャンプーや耳掃除や歯磨きや爪切りなど)、体重測定や健康診断などをどのような内容と頻度で行っているか、聞いてみましょう。
○ 運動について、聞いてみましょう
 日々の散歩や運動、遊び、トレーニングなどをどのような内容と頻度で行っているか、聞いてみましょう。
 
09
動物を迎えてからのアフターフォローの確認を
動物を迎えたらそれで終わりではなく、迎えてからが家族の生活のスタートです。そこを充分に理解し、迎えた後でも動物との暮らしについて相談にのってもらえるかや、ペットホテルやトリミング等の日常生活で必要なサービスなどが整っているかどうかを確認しましょう。
10
不満や疑問は率直に
不満や疑問があったら、すぐに聞いてみましょう、誠実に対応してくれるでしょうか
また、信頼関係も大切。動物のことが心配で相談しているのに、「うちの施設ではそういうやり方はしていない」、「そんなことを言うのはあなただけだ」などと、対話を拒むような施設は問題です。

※非営利、営利問わず、劣悪な環境で飼育されている動物を発見したら、警察や行政に通報・相談しましょう。「かわいそう」の気持ちで早急に動物の引き取りをしてしまうと、現場の証拠を奪ってしまい、また同じ過ちを繰りかえす手助けをしてしまうことにもなりかねません。トラブルに巻き込まれる可能性もありますので、一人でどうにかしようとせず、動き出す前にまずは第三者に相談しましょう。
※適切な環境で飼育されている動物を迎えることは、その施設を応援することに繋がります。一方で、劣悪な環境で飼育されている動物を迎えることは、劣悪な飼育環境が継続することを応援することに繋がってしまいます。自分が支払うお金の流れがどのように使われるのかもきちんと考えて行動するようにしましょう。

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