ドッグプログラム
Dogprogram

 

ドッグプログラムとは、犬を介して行う教育や支援活動のことです。

このプログラムが対象者に与えるものは、犬のセラピー効果(リラックスや精神安定)だけでなく、身体面や健康面の維持対人コミュニケーション力自立的な判断力や行動力の育成責任感や自己肯定感、無償の愛情を知ること信頼関係を築くこと、などプログラムの実施形式によって多岐に渡ります。

特に、アメリカの各州では様々なNPO団体などがドッグプログラムを運営し、約30年ほどの歴史があります。学問的な研究成果も発表されており、注目が集まっている分野です。
代表例として、アメリカオレゴン州の「プロジェクトプーチ」があります。
プロジェクトプーチ社では、少年院内で犯罪を犯した少年が、一度飼い主に捨てられた犬を保護して家庭で暮らせるように心身のケアとトレーニングを行って犬の新しい家庭(里親)を探す活動を行っています。ここでは”責任””忍耐””愛情”の3つを主に学んで、再犯を犯さないよう更生を目的とした教育プログラムです。
これまで200人以上の卒業生のうち再犯率0%の実績を出しています(通常は半数ほどの少年が再犯してしまう)。アメリカでは日本と社会保障の仕組みが異なるため、再犯しない=自立して生活している、と捉える事が出来ます。

Point

ドッグプログラムの特徴

Policy

大切にしている3つの言葉

上山さんが話している写真
上山さんが話している写真

“ただ犬を若者に与えるだけでは意味が無い”
“犬にも若者にも常に次のチャレンジの機会を与えること”


この言葉は、ドッグプログラムの分野で成功を収めているプロジェクトプーチ社(アメリカのオレゴン州)の創設者、ジョアン・ドルトン氏に初めてお会いした日に彼女が運転中の車の中で聞いた言葉です。

この活動は、単に犬を飼えば若者に変化があるのかというとそうではありません。
それは日々活動する中で痛いほどに実感しています。犬は生き物であり、その命を預かるということには必ず責任が発生します。毎日の散歩や餌やり、定期的なお手入れが必要です。犬が人間社会で生きていくことを教えるためには、教える側の忍耐力、犬に対する深い愛情も求められます。そんな日々の労力と愛情をたくさんかけるからこそ築ける信頼関係があり、犬はかけがえのない多くのことを私たち人間に教えてくれます。
そのような、ある意味では「高いハードル」となる犬の毎日の世話やしつけは、簡単にできるものではなく、各若者にあったステップのプログラムを組むことで、若者が小さな目標を少しづつクリアしていけるようにサポートすることが大切です。
若者にとっても日々成長し自己肯定感が育まれるよう、そして犬にとっても人とのコミュニケーションを楽しみ課題を乗り越える中で自信がつくよう、互いに支え合い成長できる関係を築くためには、必ずそこに介入する「犬の専門家」「対人支援の専門家」が必要であり、そして何より「犬と若者の双方を支援できるコーディネータ」が不可欠です。不思議なもので、人がつまずくと犬もつまずき、犬がつまずくと人がつまずきます。どちらか一方だけがメリットを享受できるプログラムではありません。

キドックスはアメリカで大きな成果が出ているこのドッグプログラムを、安易な気持ちではなく、本質的な形で日本に広げたいと思って活動を始めました。現在、日々現場で活動する中でも、常にジョアンからもらったこの言葉を自分の心に言い聞かせています。


“支援されていると感じる段階ではなく、自分が結果を出している感覚を持てるまでサポートすること”

この言葉は、日本の若者支援分野で有名な横浜のK2インターナショナルの岩本さんに現場の視察案内をしていただいている時に聞いた言葉です。

自分が価値がある人間なんだと感じるのは、どんな時でしょうか。

食べ物を誰かにもらった時と、自分が誰かに食事を作って感謝された時、どちらが自分のことを褒めることができるでしょうか。
例えばキドックスの活動の中でも、最初は犬とふれあう中で心が安定することももちろんありますが、徐々にドッグセラピーをされる側から、他者に貢献をする側になることで、相手から感謝をされる側へと移行していきます。
本当に自己肯定感が育まれる時とは、自分が周囲のために何かアクションすることで周囲から承認されたり愛されたり必要とされることだと思います。そしてそれは、人の生きる活力となり、働く意欲へと繋がっていくと考えます。
そのような場面を一人一人のステップに合わせて少しずつ経験をしていけるようにサポートすることで、やる気や意欲の芽を育みます。
それぞれに合わせたプログラムを、現場スタッフは日々悩み考え若者と共に成長しながら行っています。